我が家のニワトリ達が使う“静養ケージ”
ニワトリの寿命は、長い子でも10年ほどです。人間の一生と比べると、おおよそ十分の一の密度ですね。人にとって10年に1度の大怪我や大病は、コッコに毎年の出来事です。4歳や5歳のニワトリは“中年”ですから、人間の中高年と同じでどうしても不調が多くなります。
不調になったとき、他のコッコ達に邪魔されずに療養できるのが“静養ケージ”です。産箱のような、薄暗くて狭い場所に安心するのがニワトリの性質です。ゆっくり身体を休められれば、体調不良からの快復も早くなるでしょう。我が家の放し飼いコッコ達は、狭いケージ生活に不満もあるかも知れません。体調が良くなるまで、大人しく快復に向けて休んでくれるといいです。
不調時の“静養”のほか、ヒヨコ飼育にも使用します。屋内飼育が不要になる中雛以降、鳩サイズになった大きめの名古屋コーチンの雛を軒下でケージ飼育します。幅75cm、奥行き40cm、高さ65cmの静養ケージなら、体格のよい名古屋コーチンを大雛まで飼育できますよ。4ヶ月や5ヶ月目には手狭になるけど、生後3ヶ月か3ヶ月半くらいまでなら、2羽なら飼育できると思います。
YouTube動画“体調不良の名古屋コーチン雌鶏さん〜6歳の鶏をお世話〜”
次のURLです:https://youtu.be/rVkDXxiKIXQ
6歳を過ぎた年長の雌鶏さんを静養ケージでお世話した時の映像です。

2005年6月19日 ケージ製作開始!材料を調達
大きめの木製静養ケージ製作に着手しました。過去に犬に噛まれた父コーチンや足を悪くした末っ子が段ボールハウスで静養したことがありました。しかしながら、狭い段ボールハウスを嫌い、暴れて抜け出すニワトリもいました。それだけ元気だから良いことでもありますが、困ったことです。ニワトリを飼っていると、1年に1度や2度、不調になる子や怪我をすする子がでてきます。その都度、段ボールハウスを組み立てて使うより、ずっと使い続けられる頑丈なケージを作っておいた方が良いと考えました。通気性のよい大きめの木製ケージを製作した理由です。
簡単な図面を書き、材料の木材を近所ホームセンターから購入しました(写真)。なるべく安く、2×4(ツーバーフォー)の木材を利用しています。2×4は、角も取れていて、そのまま仕上げられるから便利ですね。天井と床部分は、雨と糞汚れを想定して防水加工した合板を使用します。木ネジを除いて、ざっと5千円の材料費でした。

各パーツの切り出し
図面通りに木材を切り出して組み立てます。電動ドライバー、電動丸鋸、電動ドリルを使いますよ。電動工具があると、疲れることなく作業が速く進むから便利ですね!

静養ケージが半分できました
静養ケージが形になってきました。「なぜ釘を使わずに木ネジなのか?」について、お話しをしましょう。釘は打ち付けるだけで簡単だけど、垂直に引っ張る力に弱い性質があります。底面の釘打ちつけは、十分に注意しなければなりません。いっぽう、電動工具を使わずに大量に絞めると手に豆ができる木ネジですが(苦笑)、垂直方向の耐力が高く緩みも少ないのが利点です。

(静養ケージ左面は、解放状態で雨戸はありません)

(静養ケージの前面と右面は、厚さ12mm合板の戸を開閉できますよ)

(前面と右面の戸を開けた状態です)
ほぼ完成しました
静養ケージの大きさは、幅75cm、奥行き40cm、高さ65cmです。背面のみが、12mm厚合板の固定壁ですよ。前面、左面、右面は、通気性のよい格子になっています。冬季や台風時、前面と右面を閉められるように戸があります。屋内に入れられない大きさだから、軒下に置くことを考慮して戸をつけました。天板を蝶番で開くようにして、取っ手をつけています。天板は、雨がかかっても傷まないように耐水加工の合板を利用しました。骨太の木材を使った結果、仕上がったケージは想定外の重さです。20Kgくらいあるように思います(笑)。重いけど骨太で頑丈な作りだから、簡単には壊れないでしょう。

(製作した静養ケージは、従来の段ボールハウスの3倍くらいの容積があります)

(前面と左面の戸を開ければ、内部は明るく通気性が良いです)
今まで使っていた段ボールハウスと比較
今回製作した静養ケージは、重量が20Kgくらいです。“重すぎる”のは、大きなマイナスですね(笑)。それ以外は、まずまずの出来栄えで満足でした。大きさも十分だから、体格の大きな名古屋ーチン達にピッタリだと思います。

2005年6月19日 雌鶏さんが利用しました
数日前のこと。交尾で背中に乗った雄鶏の蹴爪で、雌鶏さんが怪我をしました。その雌鶏さんに完成した静養ケージを使って貰いましたよ。産箱のような狭い場所が好きな雌鶏さんですが、自由に出入りできない段ボールハウスを嫌う傾向です。段ボールハウスのように暴れることはなく、製作した静養ケージで大人しくしてくれて取りあえず一安心でした。このまま、傷が治るまで安静にしてくれれば良いですね。しばらくすると、怪我をさせてしまった雄鶏が静養ケージ内の雌鶏を心配して様子を伺っていました(写真)。

(静養ケージで怪我を治す雌鶏さんを、毎日お見舞いする雄鶏)

(落ち着いて療養に専念する雌鶏さん、静養ケージを気に入ってくれて良かった)
2005年6月25日 雌鶏さんは静養ケージで少しずつ傷を治しています
数日後、雌鶏さんの怪我が少しずつ治ってきました。落ち着いた様子で静養する雌鶏さんです。食欲もあり、静養ケージの中で卵を産んでいましたよ。傷口の具合も良くなっているから、もう大丈夫のようです。念のため、もう少し療養しておこうね。

(軒下に置いたケージで名古屋コーチンの中雛を飼育する)

(このケージは、生後1ヶ月目ちょっとの中雛2羽に広々としていますね!)
ヒヨコ飼育にも使う静養ケージです
怪我や不調のニワトリを隔離して療養させるために製作したケージでしたが、ヒヨコ飼育にも利用しています。生後1ヶ月を過ぎて体力が付いた“中雛”は、屋内飼育が不要になります。しかしながら、5月や6月でも(中雛には耐えられない)急な冷え込みがあるし、大人のニワトリに突かれることも良くあります。そこで、静養ケージの出番です。中雛以降のヒヨコを軒下に置いた静養ケージで飼育します。雨戸を閉めて“ペットボトル湯たんぽ”を使えば冷え込みにも対応できるし、柵があるから成鶏の虐めからも守れますよ。
我が家の名古屋コーチンは大きな体格に育つ種類です。5ヶ月目の大きな子を2羽を飼うのは厳しいけど、3ヶ月目や3ヶ月半までなら2羽を飼育できます(4ヶ月目の子は微妙かな?)。昼間に放し飼いして、夜間の寝床だけに使うなら、5ヶ月目くらいの子でも大丈夫ですよ。ひよこの飼育方法については、“ひよこの飼育方法ぺージ”を参考にして下さい。