ニワトリは暑いと口呼吸を始める
(暑がる素振り@:気温30度くらいになると、「ハァハァ」と荒い口呼吸を始める)
暑くて翼を半開きにするニワトリ
(暑がる素振りA:口呼吸に続き翼を半開きにして脇の下を冷やす動作を始める)

ニワトリの飼い主さんから頂いた暑さ対策の具体例

コッコ仲間から掲示板やメールで頂いた“鶏の熱中症”についての情報です。獣医さんから聞いたお話しや、飼っているニワトリが熱中症になった時の状況、処置内容をまとめました。当事者の実体験が参考になるはずです。

掲示板に頂いた“ニワトリの熱中症”に関係する情報をしっかりと残すことが大事だと思い、一部に手を加えさせて頂き下記へまとめました。情報を頂いたニワトリの飼い主様に感謝です。有難うございました。これらの対策すれば絶対に大丈夫ということでもありませんが、熱中症を患ったニワトリの具体的な処置方法の理解と熱中症予防のヒントになれば嬉しいです。

十一郎さんからの情報

【獣医さんから伺った熱中症の症状】
・鶏冠の色が鮮やかな桃赤色
・初期は激しい連続的な開口呼吸
・体が異常に熱い(体表で40度前後、直腸で43度以上)
・食欲がなくなり、大量の水を飲む
・首をうなだれ、座っていることが多い
・水溶性下痢など
・急激な寒暖差(前日まで涼しかったのに急に高温になったり)、高湿度、空気の滞留などが起こる時は、そんなに気温が高くなくても熱中症/熱射病になるそうです。

【獣医さんから伺った熱中症の対策】
・冷たい水を与える
・涼しい場所に移動
・開口呼吸が続いた時は、重曹1%くらいを混ぜた水かドライアイスを入れて冷やした水、あるいは良く冷えた炭酸水を投与(ビタミンCがあれば添加すると良い)。

・炭酸水を飲ませる理由
鶏が大量の水を飲むと下痢になりやすく、電解質の喪失に注意が必要です。暑い日には前もって、重曹0.5パーセント、食塩0.5パーセント(あればビタミンCを少量)を混ぜた水を飲ませた方が良いのだそうです。でも予防や発症初期なら効果はあるかもしれませんが、鶏が弱ってしまうと、水も飲めない状態にってしまいます(ウチではそうでした)。そして、暑くなると食欲がなくなるのは、食べないことで消化による熱産生の抑制をして、かつ水を多く飲むことによって強制的にお腹の熱を下げる為だそうです。鶏は、自ら食べないことで体温を上げないように注意しているんですね。

【熱中症で雌鶏が亡くなった状況】
以前、2羽の雌鶏を熱中症で亡くした時の症状は、次の通りです。
これらの症状を見て、直ぐに対処すれば救えるかも知れません。
・2羽とも水場で水を大量に飲み、動けなくなった。
(急激に上昇した体温を下げる為に、水を多く自分で飲むのだと思う)
・体をもちあげると、それだけで口から水を大量に吐く。
・排泄は下痢と言うより、飲んだ水がそのまま出て来る感じ。

【熱中症で雄鶏が回復した状況】
雄鶏(風)が熱中症から回復した時の症状と処置は、次の通りです。
・とても暑い日に喧嘩して(激しい運動ですね)、小屋でひっくり返っていた。
・症状が現れてから、雄叫びの声が変になりました。
・体が火のように熱かったので、首から下を2〜3分間、水に漬け冷やし涼しいところに移動させて休ませた。
(荒っぽい方法だけれども、クーラーが無い環境では、体温を下げるのに効果がある筈)
・この方法で、熱中症からの回復に1日かかりました。

【その他】
暑さに対するダメージは大きい個体、脂肪が蓄積している個体ほど注意が必要です。そして雄鶏君は、雌鶏よりも更に暑さに弱い傾向があるそうです。ウチで亡くなった雌鶏さんも1、2番目に大きい子でした。暑い日、上で記した重曹水を与えたら良いそうですが、なかなか出来ないものですよね。そして、換気・散水が重要で、予算が許すならば寒冷紗を使う事も良いかも知れません。(愛知県、中央家畜保健衛生所のHPを参考に考えてみました)

【十一郎さんのブログ】
ブログ「にわとりが教えてくれたこと」に熱中症対策をまとめられています(下記リンク先)。
ニワトリの病気や不調についても記されているので参考になるブログですよ。

鶏の熱中症1
鶏の熱中症2

テン&シマさんからの情報

暑いと、どうしても水を沢山飲むので、下を向いた拍子にそれをダラ〜と出してしまう事もたまにあります。また、水っぽいウンチもしますよ。その様子は、まるで水の中にウンチが入ってるって感じです。そして「ゼ〜ゼ〜」と聞こえる件も、ナックル君はある程度歳を取ってるから仕方ないのかも知れません。6月に亡くなったアロウカナのボス「ウカ」も、いつの頃からか、ケンカ後に「ゼ〜ゼ〜」と言うようになっていました。

クロのママさんからの情報

私の学校の鶏小屋は、立地条件には恵まれていました。暑さ対策は、すだれ、緑のカーテンといったことぐらいで、何とかやってきました。室内で飼っていた時期もあって、小屋の中に熱気がこもるという経験はありません。その他の対策では、小屋の周りへの散水が効果がありそうに思います。暑い場所だと、いっそうのこと、暑い時間帯だけ室内へ避難させるのも手かも知れませんね。

ウサギの場合は、終日・冷房つけっぱなしの暑さ対策です。ウサギは、暑さにとても弱いのでこの対策です。保冷剤をタオルで包んで、ウサギのケージの上や下に置く方もいるようですが、すぐ氷が解けるので、度々の交換が必要みたいです。この保冷剤を使う方法は、鶏には適してなさそうです。

雄鶏ナックル君が熱中症から快復(ぼんちゃんさん情報)

ぼんちゃんさんがお世話をしている雄鶏のナックル君が熱射病になってしまいました。真夏が終り、少し涼しい期間を過ぎた後、残暑がぶり返した2011年9月10日のことでした。ぼんちゃんさんとご家族の懸命な看病によって、回復した過程をまとめました。下記は、リアルタイムで記して頂いた掲示板書き込みを編集したものです。

因みにナックル君は、名古屋コーチンの血を継いだ、体格の大きな4歳の雄鶏君です。娘さんの在学中から隣接する小学校で飼育されていて、ぼんちゃんさんとご家族(娘さん)が在学当時から卒業後も引き続きお世話をしている子です。

【10日 11時頃、散歩中】
お天気は、明るい薄曇り、風も少しあって、気温は30℃と少し、暑くて堪らない程ではありませんでした。真夏ほどには暑さが厳しくはなかったので、そのままの状態で遊ばせていました。

いつも通り草むらをお散歩して、自由に遊んでいました。途中から口呼吸が始まりましたが、「暑いのかな」と思い、様子を見ていました。排泄するウンチは、大量の水に固型の粒状の糞がはいってるような感じでした。ナックルは、少しずつ歩いているのですが、口呼吸の口の開け方が大きくなり、翼も浮かせ始めました。

後から考えると、(「熱中症かも」と思った時に)十一郎さんがおっしゃったように鶏冠が鮮やかな”鮮紅色”でした。くすんだり、白っぽいなど色が悪いと気になるのですが、とても綺麗な色(新鮮なな魚のエラの様)で、「これは大丈夫!」と間違った判断をしてしまっていました・・・。

口の開け方は、通常の口呼吸のときよりも大きく、肩で息をしているような状態です。座り込み、こそしませんでしたが、明らかに、何かがいつもと違います(うまく言えなくて、すみません…)。私をじっと見て、眼で何かを訴えているような、眼を離したら、そのまま息が絶えちゃいそうな、苦しそうな状態でした。

身体も、かなり熱かったです。水をあげると、今まで見たこともないくらい、長い間飲み続けていました(十一郎さんのご経験にあった状態です)。そのあと、学校の鶏小屋へ戻しました。

【10日 12時頃、学校の小屋】
抱っこして急いで(日陰の)屋外の学校の鶏小屋へ戻したあと、次の状態でした。
(この時、小屋の中は、いつもより暑いという事もありませんでした)
・口の開け方が半端ではない。
・息も荒く、「ぜ〜ぜ〜」という音が聞こえ、いつもの口呼吸と明らかに違う。
・眼はうつろで体に力もありません。
・下を向くと、「だら〜っ」と透明の液体(よだれ?)が垂れる。
・抱きかかえると、いつも力強く暴れるナックルが、じ〜っとしています。
・便は、透明な水と固形のふんが混じったも(少し黒っぽい)

そのまま、しばらく様子を見ていたのですが・・・。いつもは、小屋に入れると口呼吸は落ち着くのですが、この日は小屋に戻しても、より激しく、翼もかなり浮かせたままでした。そして、(外で飲水後、1時間くらい経ったころ)透明の粘りのある液体を口からだら〜と垂らしました。いつもは暴れるのですが、抱いても元気も力もなく、なされるがままです。

何故、危険、と判断したのか?を思い返すと、(上手く説明できないのですが)「絶対、いつものナックルと違う」という直感のようなものがありました。後追いの鳴き方も、いつもと違って長く、多かったです。1時間くらい、この学校の小屋の中で様子を見ていました。

【10日 13時前、自宅室内】
学校の(屋外)小屋に置くのが危険な状態と判断して、クーラーの効く自宅へ抱いて連れて帰り、介抱しました。初めに27℃にした設定温度は、徐々に29℃へ上げました。以前に雌鶏のチョボが療養していた箱(サイズはナックルにとってぎりぎり・・・)に入って貰いました。狭い箱の中ながらも、クーラーの効いた(薄暗くした)静かな室内で休ませたのです。外で沢山飲んでいた水は、涼しい室内では余り飲みません。

【10日 16時頃、自宅室内】
クーラーの効いた室内、娘に鶏冠マッサージして貰いながら元気を取り戻しました。

【10日 17時頃、自宅室内】
娘の話では、おなか(そのう?)が鳴り、小松菜やゆで卵の黄身、大根、飼料などをたくさん食べました。但し、相変わらず、ウンチは、「大量の水 + 固形(少し黒っぽい)」状態です。

【10日 18時半、自宅】
就寝時間のようです。 ナックルは、寝ました。娘と(いろいろと状況を)検討した結果、狭い箱の中でのストレスなども考慮し、20時過ぎに屋外の鶏小屋へ移すことに決めました。移動の自動車の中、あくびをし、学校の小屋に入ると(寝床の)お布団の上ですぐに眠ってくれました。

【10日 21時頃、学校の小屋】
容体は、だいぶ落ち着いているようです。 この鶏小屋は、夜になってもまだ蒸し暑いです。しかしナックルの身体の張りや鶏冠の色、瞳、そして食欲と機嫌から大丈夫だと思います。ウンチは、前述の状態のままでした。

【11日 翌朝・夜明け前、学校の小屋】
「コッケコッコ〜っ」と、ナックルの立派な雄叫びが(屋外の鶏小屋から)聞こえてきました!ナックルは、いつもと変わらない元気な姿で待っていてくれました。朝日の中で、ナックルはご機嫌に遊んでくれました。感謝、感謝です。

今日も、暑くなりそうです(早朝でも汗をかきました・・・)。用心して、様子を見守りたいと思います。

【13日 学校】
あれから3日が過ぎました。おかげさまで、ナックルは以前のように元気な姿で過ごしています。ウンチの異常や口からの透明な液体は、翌日11日の夕方まで見られましたが、今日現在、特に気になりません。

ナックルは、今回の件で学んだようで、以前より好んで日陰に入ることが多くなりました。昨日と今日、彼は口呼吸をしませんでした。 私は、日向に出る時、ナックルの鶏冠や体表を手で触って、こまめにチェックしています。小屋の中、外にも、沢山の水を撒いて少しでも体感気温を下げるように心掛けます。

ニワトリの熱中症【サイン&予兆】

夏季にニワトリが“暑がる素振り”をみせたら、速やかに“暑さ&熱中症対策”を行いましょう。下記リンク先に暑がる素振りや熱中症の予兆をまとめたので、ご参考下さい。

気温30度くらいから顕著になる“ニワトリの暑がる素振り”を解説

ニワトリの熱中症【対策&予防】

夏季にニワトリが“暑がる素振り”をみせたら、速やかに“暑さ&熱中症対策”を行いましょう。下記リンク先に対策方法をまとめてありますので、ご参考下さい。

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