(暑がる素振り@:気温30度くらいになると、鶏は「ハァハァ」と荒い口呼吸を始める)
(暑がる素振りA:高温になると、口呼吸に続き翼を半開きにして脇の下を冷やす)
(暑がる素振りB:高カロリーな穀物を含む配合飼料を食べ残すようになる)
(暑がる素振りC:水をガブ飲みして、下を向くとクチバシから漏れることがある)
(暑がる素振りD:体を冷やすために飲んだ大量の水が“水便”として排泄される)
夏季にニワトリが暑さを訴える行動・素振り
ゴールデンウィーク前後から飼い始めたヒヨコが大雛になるころ、日本列島は夏季を迎えます。ニワトリは汗腺がなく、暑くても汗をかいて体温を下げられません。「養鶏場で一度に数万羽が熱中症で命を落とした」とニュースが報じるほど、ニワトリは暑さに弱いです。冬季の寒さも過酷ですが、ニワトリの“夏季の暑さ対策”がより重要になります。鶏の熱中症を防ぐには“暑いサイン”を見逃してはいけません。口を開いて「ハァハァ」と口呼吸をする仕草。翼を半開きにして脇の下を冷やす素振りをしたら暑さ対策を講じましょう。文章だと分かり難いので、画像や映像を交えて解説をしていきます。
【熱中症の兆候】
1、「ハァハァ」と口呼吸するようになる。
2、翼を半開きにして脇の下を冷やそうとする。
3、食欲が落ちて食べ残しが増える。
4、水をガブ飲みする。下を向くと口から漏れることがある。
5、水便が多くなる。
ニワトリは、気温30度くらいから暑がる素振りをします。一番初めに現れるのは「ハァハァ」とクチバシを開いてする“口呼吸”です。気温が高くなるにつれて口呼吸が速く激しくなります。
暑がるのは、人間と同じく“若者”です。そして、雌鶏さんよりも体格がよくて筋肉がある雄鶏が暑がりですね。そのような理由で最初に暑がる素振りをみせるのは、代謝のよい若い雄鶏です。年長の雌鶏さん(お婆さんニワトリ)が暑がる素振りをみせるのは、一番最後になることが多いように思います。
ニワトリが暑さで口呼吸の次に始めるのは、翼を半開きにする仕草です。高温に我慢ができず、翼を開いて脇の下を冷やそうとする素振りですよ。放熱しようとする行動ですね。激しい口呼吸と翼を開く行動の両方を始めたら、「とても暑い!」のサインです。直ぐに暑さ対策をしましょう。
暑くなると、ニワトリは配合飼料を食べなくなります。配合飼料に含まれる高カロリーのトウモロコシや大豆、玄米などの穀物(糖質)は、発熱して体温をあげる食べ物です。寒い冬季には大歓迎ですが、夏季には体を熱くするから自主的に避けるようになりますよ。夏季に配合飼料を与える場合、早朝や夕方の涼しい時間帯がいいでしょう。
人間と同じですが、暑くて喉が渇くと水をたくさん飲むようになります。体を冷やす水ですが、あまりにも暑くて飲み過ぎてしまうと口から漏れてしまうことがあります。ニワトリが下を向いたときにクチバシから水が漏れるようなら“熱中症の危険アリ”のサインです。
下痢に見えてしまいますが、夏季に暑さのために排泄するのが“水便”です。人間と同じく、猛暑にニワトリもたくさんの水を飲みます。冷たい水を摂取して体を冷やすためですよ。しかしながら、小便と大便を同じ“総排泄口”から排泄するニワトリは、たくさん飲んだ水分を糞(大便)と一緒に排泄します。見た目は下痢ですが、暑い季節には健康な“普通の便”といえます。発汗できないニワトリは、体を冷やす機能が弱いです。大量に水を飲むことで体温を下げようとしますので、水便を排出しても水を飲ませてあげましょう。水を飲まないと熱中症になり、命の危険があります。
不健康な下痢便もありますが、元気な鶏が夏季に排泄する“水便”であれば「暑がっているサイン」として捉え、涼しくなるように対処してあげましょう。
YouTube動画“ニワトリの暑さ対策・前編【熱中症サイン】(予兆や症状)”
次のURLです:https://youtu.be/dqZe_JK9u1s
気温30度くらいから見せるニワトリの“暑がる素振り”に熱中症予防をしましょう。
ニワトリの熱中症【対策&予防】
夏季にニワトリが“暑がる素振り”をみせたら、速やかに“暑さ&熱中症対策”を行いましょう。下記リンク先に対策方法をまとめてありますので、ご参考下さい。
ニワトリの熱中症【実例集】
コッコ仲間から掲示板やメールで頂いた“鶏の熱中症”についての情報です。獣医さんから聞いたお話しや、飼っているニワトリが熱中症になった時の状況、処置内容を下記リンク先ページにまとめました。当事者の実体験ですので参考になるはずです。